【レトロゲーム環境に関する私見】

 こちらでは、レトロゲームの環境面について書いていきます。
 なるべく難しいことは書きたくないのですが、
 レトロゲームで遊ぶ上で、障害となりそうな事柄に対して、
 少しだけ、恩田の見解を示しておこうかと思いまして。


 各々、もっともっと詳しく書かれたページがあります。
 それらのサイトに直接リンクを張るのは憚られるため、
 詳しくお知りになりたい場合は、ご自身でweb検索をかけてみてください。



※ゲームソフト中古販売に関する恩田の見解※
・中古販売によって製作メーカー及び新作販売店が不利益を被るとは、
 かならずしも言えないと思います。
 【中古販売を行うことで新作が売れなくなる】
 とのメーカー側の主張の元、
 いくつかの訴訟が行われました(エニックス訴訟、ブルート敗訴など)。
 確かに、中古市場での利益はメーカー側に何ら還元されません。
 しかし、遊びあきたソフトを売り、新作ソフトを購入したり、
 中古で購入したソフトを遊んだ結果、
 続編(新作)を新品で購入したりする、
 新たな循環(還流?)があると思います。
 「中古市場そのものがメーカーへの打撃と考える」と考えるのは
 短絡的でしょう。
・特にレトロゲームの場合は既に本体の生産が終了していることを踏まえ、
 そのゲームに対する愛着や、ソフトメーカーに対する愛情が、
 新たなゲーム市場を掘り起こす事にならないかと、恩田は考えます。
 上位機種で同作を楽しめるソフトが出てきていますが、
 それらの潜在的な需要を喚起する意味でも、
 これら中古販売の功績を完全に否定することは出来ないでしょう。
 年月が過ぎて著作権(ここでは販売権?)が
 曖昧になっている(発売元の倒産)物もありますし、
 せめて開発市場が閉ざされたゲーム機のソフトに関しては、
 あまり目くじら立てずに見守ってほしいと思います。
・そういった観点で、恩田は中古販売を継続して欲しいとの思いを込めつつ、
 この文章を書いています。
 具体的な著作権訴訟などについては、専門サイトに譲りますが、
 皆様におかれましては、
 以上の見解を踏まえて御利用頂ければと存じます。

※電気用品安全法に関して※2007.7.4
・平成18年4月1日より、
 同法により電気用品の中古販売が規制されることになりました。
 本当は、もともと2001年に改定・施行されており、
 規制となる対象品の取引に対して猶予期間があり、
 その猶予期間が切れるのが平成18年4月1日。ということです。

・おおまかに言うと、機械の中に電源を含む電気回路がある場合、
 適合マーク(PSEマーク)がない物品(2001年以前の発売製品)は
 売買が禁止される、というものです。(細かいことは以下でツラツラと書きます)
 法律の意義としては、
 「電源がらみの発火事件が絶えないため、
  安全性のチェックをいっそう厳しくした品物を流通させる」
 ということなんですが、
 例えば「品質の再検査を行ってPSEを取得する」ようなことは含まれておらず、
 「制定前の製品=ゴミクズとして、一般の流通を一切禁止する」。
 (個人売買はかろうじて規制対象外ですが)
 という、きわめて弾力性のない法律だったりします。

・この法律により、
 レトロゲーム機周りをはじめ、中古楽器などの流通品に一気に規制がかかるため、
 個人売買を除いて入手が困難になります。
 
・ここから、細則に入ります。
 同法で規定されている「電気用品」の定義からすると、
 電源回路を本体に内蔵しないもの(ACアダプターを利用するもの:ファミコンなど)は、
 電源を別にすれば本体のみの流通が可能と判断されるようです。
 この場合、規制の対象になるのはACアダプターのみなのです。
 (しかも、ACアダプターの取引猶予期間は平成20年3月31日まで有効)
 というわけで、
 一部で憶測のとんだ「18年4月1日ショック」のようなものは、
 ファミコンにおいてはとりあえず回避できた感があります。
 (まぁ、平成20年にアダプタショックは来ますけど)
 同様に、外付け電源を使っているゲーム機は
 アダプタの確保がかろうじてできる平成20年3月末までセーフ。
 (FXを除くPCエンジン類、メガドラ、スーファミ、ディスクシステムなど) 
 電源内蔵タイプのゲーム機は、平成18年3月末日でアウト。
 (プレイステーション、プレイステーション2一部ハード、
  セガサターン、ドリームキャスト、PC-FX、3DO、レーザーアクティブなど)
・それと、ソフトは電源を必要としないので、規制の対象外です。
 本体は互換機などが出回っているので、
 実機でなくても遊べます。
 この法律の適用によって、
 「ソフトを含めたレトロゲーム自体が遊べなくなる」と思っている人もいるようですが、
 大丈夫。
 ソフトの市場売買もバリバリOKです。
 互換機がなさそうな
 64、サターン、ドリキャスあたりはちょっとマズイ状況かもしれませんが、
 いずれ互換機が出てくることを祈りましょう。。。

・どちらにせよ、
 ある時期を過ぎた瞬間に商品価値がゼロになる、という法は暴力的だと思います。
 例えば検査協会などの認定を受けるためであれば、
 回路の一部改変(PSE適合品への交換)などを認めてもいいじゃないかと。
 確かに、安全面で疑問のある物品に網をかけるのは大事ですが、
 ある程度の弾力運用ができないものかと思います。
 検査を通すという対価を払っても流通させる価値のある物だって、ゴマンとあるんです。

 「事故が起こってからでは遅い」という危機感をあおる声も、
 今までの様々な検査(旧法:電気用品取締法)がどれほどザルなのか、
 また、義務化したところでどれだけザルなのか?
 という体質の甘さだけが際だって見えるようで、むなしいです。
 
・そんなわけで、
 レトロゲームを実機で楽しみたい人間には、
 ちょっとキツイ法律です。
 市場や同好者がどのような行動に出るかはわかりませんが、
 無闇な投機に走らないようにしてほしいものです。
 ルールを守って正しく遊びましょう。

 <2006.3.29追記>
・どうやら
 【ユーザーの圧力に負けて、
  PSEマーク無しでも数ヶ月は流通可能の判断が降りたようです。】
 とのマスコミ報道がありましたが、
 どうやら現状はそう甘くないようです。

 自主点検後の流通は可能ということなのですが、
 流通ゼロ、ということにはならないでしょう。
 でも、それって販売者が製造業者に認定を受けた上の措置だそうで、
 現実問題としては難しいところでしょうね。

 経産省の思惑はとりあえずおいといて、
 予断を許さないことは相変わらずです。
 踊らされないようにしましょうね。
 監視しておかないと、なにをされるか解ったもんじゃありません(怒)。

 <2008.7.4追記>
・結局、2007.7.17に
 経済産業省の本庄孝志・大臣官房審議官がPSE法を巡る混乱に対して謝罪し、
 改正PSE法が11.21に成立、12.21の施行をもって、
 PSEマークの無い電気用品についても事実上、販売が可能になった。
 1年9ヶ月に及んだ法規制の期間中に、
 たくさんのゲーム機が廃棄されたことだろう。
 折からの不況も重なり、リサイクルショップの閉店も相次いだ。
 国民生活に与えた打撃は大きく、
 僕らのようなレトロゲーマーには本当にキツイ法律だった。
 その改悪を国会が認め、改善したのだから、少しは溜飲も下がるが、
 まだ、この改正を知らない販売者も数多くいる。
 ゲームを掘り出すのもなかなか面倒になってしまっているが、
 根気よく発掘し、次の世代にも「こんなに面白いゲームがあった」と、
 その時代の文化遺産(?)として、誇って貰いたいと願う次第である。
 (PSE問題については、wikipediaに譲るので検索で飛んでみてくださいませ)