「ヴァンパイア・ローズ」
_林檎のハーブワイン煮_


                             
2007.02.03 mixi


今宵は、心ざわめく満月の夜。

浮かぶ満月に心が惑う夜に、
ひとり、
ヴァンパイアを気取ってさすらう夢を見る。

地に墜ちた獣のようでもあり、
誇り高き掟の中に生きる賢者のようでもあり、
衝動と理性の狭間で揺れる魔性の心理に、
今宵は心を奪われよう。

滴る血の料理も野趣溢れて良いが、
私は血を呑めぬ偽装ヴァンパイア。

今宵の食事は
人を殺めぬヴァンパイアのしきたりに倣い、
薔薇の精気で生を繋ごう。

愛する彼の人を殺めぬよう、
ヴァンパイアの少ない理性を、頂くとしようか。
     
  
【レシピ】

食用のバラを手配している時間もなかったので、
同じくバラ科の果実ということで、
林檎とローズヒップを使ったデザート(あっさり妥協したなぁ)。

<林檎のヴァンパイア・ローズ>

基本的には林檎のワイン煮です。
スライスした林檎をワインで煮るだけなのですが、
今回は「血の赤」がテーマ。

味と色にアクセントを加えるため、
ローズヒップ&ハイビスカスのハーブティを
濃いめに煮出して白ワインに加え、
グラニュー糖と若干のシナモンでクツクツと煮ました。

林檎のワイン煮って、だいたい赤ワインでやるんですが、
色づきは赤ワインよりも、
こちらの方がより「赤く」なると思います。
ワインだとどうしてもシアンが混じる印象なのですが、
こちらだとより「クリムゾン」の色合いが強くなる。
「血」に近い赤は、見ていてちょっと面白いかな。

また、このハーブティの爽やかな酸味は、
思った以上に、林檎ととても相性が良かったです。
(今回、林檎は甘味の強いサン富士を使用)

宵っ張りのヴァンパイアさん達に、
ビタミンと抗酸化(抗老化)のみずみずしい果実を(^^)

永久に美しく、なんて言いませんけどね。
恋しい人には、少しでも若くいて欲しいと思うものです。
なんて、蛇足だったかな(^^ゞ

<ヴァリエーション>
林檎の花は、様々な色で咲かせることが出来ます。
フランボワーズやカシスの酒類を変えたり、
柚子や杏子、ベリー類とも相性がよいので、それらと煮ても美味。
温かいうちに食べても、冷やしてもOKだし、
ヨーグルトやトースト、カスタードとの相性も抜群。
ペロリと食べてしまえる、お手軽スイーツです。