ちょっといいですか?
図書館通信編 
第5回:「あなたのまわりにオタクはいませんか?」

不機嫌である。
最近、またしても私に対しての評価がかんばしくないのである。
『ああっ、先輩って誰かに似ていると思ったら、、
 ああっ!やっと解った!!』
「誰だい?(ちょっと期待して)」
『のび太君!!』
なんてのを筆頭に(ヤだな、、こんなのが筆頭なんて)、
『子供っぽい』『わがまま(自己中)』『噛みつかれそう』
『天体・キャンプオタク』、、、、(/_;)
あまりにもストレートに心に刺さる言葉ばかりである。
さぁて、どうしてくれよう、、、、じゃなかった、
どうやったら誤解を解いてもらえるんだろうか。

我が儘っていうのは納得出来る(事実なので否定はしない)。
容姿の問題もまぁ、、、百歩譲って仕方ないとして。
まぁ、昔っから漫画に出てくるような平和ボケした顔だとは
言われてきたけどね、、、それにしても「のび太君」とはね、、、
あそこまで、、、、ねぇ。( ..)ヾ
子供っぽいっていうのは、どういうことなんだろう。
私の場合は、世間様のように必死になって大人になろうと
背伸びしているような人達にはなりたくないと思っているのだが、
この言葉とは若干、意味がズレているようだ。
もしかしたら、そんな風に世間様と違った行動をとりたがるから、
『ひょっとして、スネてんじゃないの?』ってことなのかも。
いずれにせよ、軽く見られていることに変わりはないだろう。
う〜ん。ナメられたものである。どうしてくれよう。
噛みつかれそうってのも、なんだかなぁ。
取っつきにくい性格してるから?
それとも、単に口が悪いから?
まぁ、私はもともとこの性格を変える気はさらさら無いが、
時々やっぱり、「性格で損してるよなぁ。」と思うこともある。
でももし、ここに載っている文章がすんごい馬鹿っ丁寧だったら、
きっと誰も読んでくれないんじゃないかな?
だから、前から書いているように、
私は普段からこんな言葉で喋っているわけじゃない。
したがって、
初対面や馴染みの薄い人に毒舌かますなんてことは皆無。
(親しくなるにつれてガンガン口が悪くなるということはあるけどね)
それでも信用出来ないっていう人は図書室に来るように。
お望み通り、好きなだけオラオラ嫌と言う程噛みついてやります。

それにも増して我慢ならないのが、
例の【オタク】なる言葉である。
最近はこの言葉自体がだいぶ下火になってきているけれど、
一部では差別用語として根強く使われている。
私は、この言葉自体をあれこれ言うつもりはない。
意味もまた、俗語としては納得出来る。
んがしかし、これほど頭に来るのは訳がある。
問題にしたいのは、使う側の品性である。
そもそもこの言葉は、
「マニア」とほぼ同義に、
そういった専門的な分野に携わっている人を指す言葉のはずである。
だが最近は、自分の主観から見て異質で理解出来ない人を指して、
そう呼ぶ傾向がある。
つまりは、「変な奴」を指す言葉に成り下がったわけだ。
普通の人間なら、自分と少し違う奴がいたって、
ごく当たり前としてとらえる。
人間一人一人違うのである。
個性があって当たり前、
好きな分野や嫌いな分野は誰しもあるはずなのだ。
それを自分一人の主観で決めつけて蔑むのは、
ハッキリ言えばおつむのレベルが低いことを表している。
(しかもその相手は、その道の知識を相当に持っている人なのだから。)
小学生の低学年並みに了見が狭いと言っても過言ではないだろう。
翻って自分がそれだけの専門性を持っているのか?と問いたい。
まぁ、持っていたとしても
人間のレベルは低いことに変わりはないのだが。
お情け程度の点数はつくかもしれないからね。

ここで例を挙げてみよう。
野球が好きで本が嫌いな子が二人、
本が好きで野球が嫌いな子が一人居たとする。
二人とも高校生だとしよう。
野球好きの子の一人が、
全球団の選手に関して相当カルトな知識を持っていたとする。
野球好きの子同士の会話は、
話が弾んでもお互いにオタクだとは絶対に思わないだろう。
一方、そこで本好きの子が、
そこそこ売れているけれど有名じゃない作家の話題を出したとしたら、
後で何を言われるか解らない。
体験談ではないのだが、似たようなレベルの話はいっくらでもある。

要するに、価値観なんてもんは自分の興味の問題なのである。
「オタク」を連呼して喜んでいるような人達は、
自分本位で周りを考えていないだけなのだ。
自分の馬鹿さ加減を宣伝して歩いている、
お寒く奇特なお馬鹿さんなのである。

そんなわけで、
自分がそういう立場に立たされても、
相手を責めてはいけない。
相手は「可哀想な人」なんだから、ね。
そこで相手を恥じ入らせようと一言ウンチクを垂れたところで、
彼らが気にすることはあり得ない。
逆に、大顰蹙を買う羽目になるだけ、説教損である。
なんだか、だんだん嫌みったらしい文章になっちゃったな。

そんなわけで、
独特な価値観を持つ私は、
やっぱり変な奴って事になるんですよね、、、
誤解(ある意味的を射ているが)は当分続きそうである。

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<note>
初出:1995.02.11
   某大学附属某高校図書室・図書館通信1994年度11号
   ちょっといいですか?(第19回)/(同題)
改行・修正:2003/05/28
   HP遊覧航路
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・毒舌の典型例です(笑)。
 しかし、陰湿なイジメが始まるきっかけなんていうのは、
 得てしてこんな些細なきっかけだったりするんですよ。
・【自分に理解出来ない異質な奴】
 理解しようとする度量がないから、苛める。
 そんなの居て当たり前だって事を否定して、
 自分の【小さな世界】だけで物事のすべてを判断しようとする。
 器の小さい人間程、自分の小さな世界に人を押し込めたがる。
 自分のフィールドだけで、勝負を仕掛けてくる。
 取り巻きに囲まれた
 アウェイ無き勝利に何の意味があるのだろうか。
 後味が悪いだけだろうに。
・悪いけど、私は負けているつもりはありませんでした。
 陰でどう言われていようと、
 正面切って言えるような、
 度胸のある人間は居ませんでしたね。
 見下していたわけではないけれど(それも個性だから)、
 因縁をつけてくる人間には手を焼いた覚えがあります。
・そんなマイナスの労力使うぐらいなら、
 自分のやりたいことやればいいのにねぇ。