ほぼ月刊webちょっ?

第2号:2001/09/02

目次
 @見なかった事にして下さい。
 A声のチカラ


@見なかった事にして下さい。
 「本屋に勤めている。」というと、
 本が好きな人程、
 「いいなぁ、趣味と実益兼ねちゃっててさぁ。」
 などと言う。


 私も最初は、
 「そーでしょー、もう、好きな本を社割で買い放題だよー。(^o^)」
 なんて浮かれていた。


 しかし、最近になって微妙な問題に突き当たりつつある。
 それは
 【月々の書籍代が家計を圧迫している】ということ。
 かなり厳しい。そして、かなり切ない問題である。


 本好きな人程に、本屋は鬼門とも言える散財の場。
 ふらりと立ち寄ったが為に財布の大枚が消し飛んで、
 帰途、
 「これでいいんだろうか、俺。」
 などと悩む方も多いと思う。
 実際に仕事をしていても、
 「ああぁ、お金が足りないからカードで。」
 という人も結構居る。
 「せめて財布の中身と相談しようよ。」とも思うのだが、
 最近の出版事情を鑑みると、そう単純にも言い切れない面がある。
 「本との出会いも一期一会」
 気が付いた時には絶版。なんてことだって十分に考えられるからだ。


 そして、私である。
 面倒な事に多趣味であり、
 興味の分野はそれこそ「各階でヨダレ物の書籍が必ずある」ぐらいの勢い。
 しかも、悪戯にマイナー系、
 もしくは専門書、更には高価本に手を出してしまうため、
 かかる出費もそれこそ万単位。
 それでもって絶版が早い(みんな見る目無いよなー)ので、
 泣けてくる程、出費が激しい。(T_T)


 賢明な本好きは、
 だいたいここまで病状が進んだ頃に自衛手段をとる。
 「俺、本屋行かねーわ。」
 そう、感染源に近づかなきゃ良い訳です。
 近寄らなければ、買いたい本も出てこない。
 出てこなければ、出費もない。
 いと、メデタシ。である。


 言わんとしてることはお解りでしょう。
 「見ちゃったら最後。買うしかない。」
 という状態に、書店員は常にさらされている事になります。
 「今の本は見なかった事に、、、、」
 とは行かないのが、人間の欲望ってやつです。
 これでもかなり自制して、
 数日間は自分専用在庫箱に
 「入れたり出したり入れたり出したり」と繰り返してみて、
 それなりに選別はして居るんだけど、、、、。
 それでもやっぱり万を下回る事は珍しい、、、、。


 最近、「実益を兼ねている」とは言い難くなってきた。
 それでも確かに、職場が楽しいってことは幸せだと思うし、
 贅沢な悩みなんだろうとは思う。
 でも、
 でもね、
 「見なかった事に出来る」強い心が欲しいなと、思います。
 
 本日は給料日。
 給料から天引きされた「書籍購入代」の項目を見ながら、
 「果たして俺は、、、、」
 などと悩んでいる私が居る。


 そのぶん給料が上がれば文句ないんだけどね。(核爆)

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A声のチカラ

 私は「自分の声」があまり好きじゃない。
 鼻に掛かって、もしゃもしゃとくぐもって、
 それでいて中途半端に甘ったれたようなハッキリしない声。
 自分の日和見する意志薄弱さ加減が染みついてるみたいで、
 留守電なんかに録音する時、隠そうと必死にハキハキ喋ったりする。
 それもなんだか、ちょっと嫌。


 まぁ、それとはちょっと違うけれど、
 【声のチカラ】って、凄いと思う。
 十人十色の声があるけれど、
 「聞いてて楽しくなる声」もあれば「なるべく聞きたくない声」もある。
 「なんだか知らないけどホッとする声」もあれば、
 「聞いているうちにイライラする声」ってのも、やっぱりある。
 同じ事を喋っていても説得力が雲泥の差だったりして、
 話し方云々を差し引いて考えても、
 やっぱり声の質によって損得はあるんじゃないかって、思う。


 本屋の店売を職業とするため、
 やっぱりそれなりに「営業用の声」というのは出来てきた。
 でも、営業用は営業用。
 とてもじゃないけど私生活に使えるような声じゃない。
 「余所行きの声だねぇ」という感じで、
 やっぱり鼻に掛かった高いトーンの声。
 何て言えば良いんだろう、
 限りなく無機質っていうのかな?
 いくら口調を和らげたところで、
 「冷たいな」って思わせる声。
 よく眼鏡屋とかデパートなんかに居るでしょ?
 「お前の本音はどこだ?」って言いたくなるような人。
 作為的なソフト口調が見え見えの声。


 カラオケもそう。
 声を作るっていうのは「人格を作る」みたいで、抵抗がある。
 「何でその声が地声で出ないんだ?」と、上司に何度か言われた。
 「これはあくまで宴会芸ですからねぇ〜」とは答えたけれど、
 自然に心地よい声が出る人っていうのは、
 そうやって苦し紛れにカラオケで歌う私達と明らかに違う。
 だからいくら声色が作れても、
 微妙な調律に長けていても、
 いや、なまじ下手に器用なだけに、
 逆に限界が解ってしまう辛さもあるんだよね。
 カラオケなんて一時の遊び。
 普段の声が心地よい方が良いに決まってるじゃないかって。


 と、ここまでグダグダ書いたところで1つ質問。
 【あなたの一番好きな声の持ち主は、誰ですか?】
 さぁて、こいつぁ結構ギリギリの質問です。(笑)
 意味ありげでしょ?(爆)


 これは昔(今も???)、
 私が付けていた「質問ダイアリー」という日記に出てきた質問の一つ。
 (365個の質問を、1日1つずつ答えていくという特殊な日記。
  結構ドキッとする質問もあり、
  誰にも見せられない、かなり恥ずかしい日記になります。)


 さぁて、答えは出ましたか?
 
 熱愛中の御仁は、大抵「恋人」と答えるんでしょう。
 でも、同じような質問を飲み会の度に繰り返していたら、、、
 「別に意中の人に限らない」っていう人も結構居ました。
 私も「限らない派」なんだけど、
 最初は少数派だと思っていたのに、
 どうやらそうでもないらしい。


 ホッとする声・落ち着く声って、
 ずっと「どうしてだろう?」って考えてた。
 最終的に、
 やっぱり精神的に依存させてくれる人に落ち着くようです。
 私はかなり「欲しがり派」で、
 頼られるより頼りたい人間です。(「甘えんなよ」というコメントは却下)
 なのに、
 どこに行っても、どんな恋愛をしても、
 気が付いたら、おかしな事に頼られてしまいます。
 だからかな、気兼ねなく話せる友達の声に、
 魅力(変な意味じゃなく)を感じてしまうっていうのは。
 
 「声が聞きたい」
 恋しい人への電話の理由なんて、こんなものだったりする。
 友達だって、久しぶりだしなーなんて、結局おんなじ理由だったりする。
 だから、
 「こんなもの」って言ってはいるけど、
 やっぱり結構大切な原動力なんだね。
 
 さぁて、意中の人に電話でも掛けてみたくなった?(笑)
 私はこれから、、、


<note>
・リハビリのつもりで始めた「webちょっ?」、
 割と肩の凝りも取れてきたのか、
 スムーズに文章が出てくるようになりました。
 言文一致を突き詰めすぎて、
 もう、散文どころかメール文になっちゃってるけど、、、
 このシリーズはこれでいくかな?なんて、
 方向性も決まってきたような気配です。
・雑文はこれだから面白い。