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【ゲテ汁とは?】
 
 
 最近、ゲテ汁大会に於いて、「ゲテ汁とはなんぞや?」といった、 
割と根本を揺るがす問題が取りざたされるようになってきました。 
というのも、 
@参加者自体にゲテ汁への耐性が生まれてきたために、 
 通常の「美味い」「不味い」という味覚認知の常識判断が崩壊したこと。 
Aゲテ汁への高レベルでの「不味さ」の追求がはじまった。 
などの問題が起こり始め、 
《参加者が希望するゲテ汁》と《世間一般でいうところのゲテ汁》、 
この両者の認識の間で著しいズレが生まれてきているという事実があります。 
 
 ここでは、両者の意識レヴェルでの【ゲテ汁の定義】を再構築し、 
そのズレを修正し、当【ゲテ汁の会】の立場をハッキリさせようと思う。 
 
T章:定義 
 A:日本の全人口比に対して、ほとんど(9割以上)の人間が 
  「実物を見たことがない」 
  あるいはかなり(8割以上)の人間が「商品名を知らない」商品。 
  もしくは、認知度が高い場合でも、地域限定としての販売であり、 
  首都圏での入手が極めて困難な商品も含まれる。 
 B:Aの定義に外れていても、世間一般で通常(7割以上の人間)に、 
  「マズイ」という認知を受けている商品。 
 C:基本的に「清涼飲料」「炭酸飲料」「果汁飲料」などとし、 
  ドリンク剤などでは薬局系「医薬部外品」「医薬品」を除く。 
  また、100ml以下の飲料は除く。 
 
 ごく一般に人に「ゲテ汁のイメージは?」と聞くと、 
 Bの定義のような答えが返ってくる。 
 つまり、味覚認知として「実際にマズイ」と認識されているものである。 
 ゲテ汁を突き詰めて考えると、根本はこの定義である。 
 しかし、不味さの判断基準が常識を超越したため、 
 追義的な意味で定義されたのが、Aの定義である。 
 この定義は、いわゆる「珍品」を示すもので、 
 世間一般の人が通常に生活している限りに於いて、 
 目に触れる機会がほとんどない商品である。 
 例えば、健康食品とか、地場産業限定の商品といった具合に、 
 一般レヴェルに定着することなく消え去って行く事が多いため、 
 必然的に「マズイ商品」が数多く含まれている。 
 つまり、Aの定義の外側に包括的に広がる広定義と考えて良い。 
 中には、当然ながら美味い商品もあることを付記しておく。 
 また、基本としてゲテ汁は「自動販売機」「小売店」で買えること 
 を条件としており、薬局でしか買えない商品はなるべく除外する。 
 これは、ゲテ汁はあくまでも「飲み物」であり、 
 「薬」ではないという立場で、定義に加えたものと考えて欲しい。 
 
 当【ゲテ汁友の会】に於いて、ゲテ汁を採集する際は、 
 特にAの定義を重要視している。 
 というのも、「みんなが知っているゲテ汁」ではなく、 
 あくまでも「商品を開拓して宣伝する」立場に居るからである。 
 というわけで、過去の実績を見ていただいてもお解りと思うが、 
 「ドクターペッパーやカロリーメイト」等の、 
 認知度の高いゲテ汁は敢えて批評の対象外としている。 
 「美味いかマズイか解らない」からこそ「スリリング」なのだ。 
 
U章:ゲテ汁の分類 
 ゲテ汁は、あまりにも大きな定義となってしまうため、 
 ここでは補足として、 
 ・どのような種類のゲテ汁が実際の存在し 
 ・どこに気を付けて採集するべきか 
 という事項を述べていこうと思う。 
 
A:入手経路による分類 
 1:外国産系 
 2:国産地方自治体開発系 
 3:自然食品会社系 
 4:大手メーカーの地域&季節限定系 
 
 ゲテ汁は、大きく分けて以上のような4経路で入手する。 
・1の経路では、「もともと、日本人の味覚に合致していない」ため。 
 もとは、日本人より在来者への飲料としての需要があるため、 
 味覚が合おうが合うまいがハナから問題ではない。 
 こういうところから貿易摩擦が生まれるような気もする。 
 (例:タマリンド/仙草蜜/など) 
・2の経路は当たり外れが激しい。 
 特産品を手っ取り早く安価で売り出すにはジュースに限る。 
 というような安直な考えで生まれることが多く、 
 「〜〜エキス配合」という形で誕生する。 
 味云々よりも「健康」に主眼を置いている場合が多いので、 
 ちょっと味には無頓着。 
 【そのへんに生えている草花は煎じれば何でもお茶になる】 
 というのが、おおよその開発者の意見と推察できる。 
 (例:エノキエキス/シジミエキス21S/徐福伝説/など) 
・3の経路は、もともと味には関係ない。 
 なぜなら、「飲み物」というよりも「健康保持第一」だからだ。 
 どんなにマズイ飲み物であろうとも、 
 「健康に良いから」と片付けられる神経の太さには脱帽である。 
 「良薬は口に苦し」と言うのが、開発者の持論なのだろうか? 
 それはただ単に、「手を抜いているだけ」だと俺は思うのだが。 
 というか、気分が悪くなっても体に良いという時点で、 
 大きな矛盾を孕んでいることに誰か気付よ。 
 (例:ライスドリーム/麦芽/ミネラル豆ジャン/など) 
・4の経路は、一発ネタが多く、流行にとても敏感である。 
 ポリフェノールが良いと聞けばそれを、 
 プロポリスがよいと聞けばそれを。と言う具合に、節操がない。 
 どうせすぐ消える製品なので、味はとても大雑把。 
 しかし、広域で大々的に売られるので、 
 「伝説」として語られるゲテ汁も少なくない。 
 あと、季節果実(すいか/くり/など)をよく取り入れるが、 
 加工が難しい物も多く、失敗が耐えない。 
 (例:スイカソーダ/ソ−ダス/マロン/など) 
 
B:味(主成分)による分類 
 1:フルーツ系(季節モノ多し) 
 2:茶系 
 3:穀物系 
 4:酢系 
 5:化学成分系 
 6:エキス系 
 7:分類不能 
 
 ごく大雑把にわけると、このような7タイプに分かれる。 
・1は、比較的被害の軽い爽やか系のフルーティ飲料。 
 但し、南方系の果実は妙にドロドロしていたり、甘ったるかったり、 
 食感を堪能するがごとく実やゼリーが入っていたりするので、 
 知らずに飲むと、結構なダメージを喰らう事がある。 
 (例:スターフルーツ/タマリンド/など) 
・2は、最近ゲテ汁の対象から外す説まで出てくるほど、軽い。 
 野草の茶もエグイだけでそれほどにマズイものは少ない。 
 しかし、なかにはとんでもない代物もあるので、 
 相変わらず油断は禁物。 
 (例:原種ウコン茶/明日葉茶/など) 
・3は、ゲテ汁大会参加者のほとんどが嫌う分野である。 
 長く飲み続ける内に、胃に重く、 
 喉にまとわりつく甘みとコクが吐き気を誘う。 
 大会中盤以降でコレに当たると痛い。 
 味ではそれほど……でも、1缶飲むことさえキツイというのが本音。 
 以外にも、普通人の方がこの種には耐性がある場合も多い。 
 (例:ミキ/黒糖玄米/ごま豆乳/など) 
・4は、爽やかな果実に隠された喉から鼻に抜ける刺激臭。 
 黒酢・米酢・リンゴ酢・柿酢などがあり、 
 どれもリンゴなどの果実や蜂蜜と合わせている。 
 努力して最近は段々と味が良くなり、ゲテっぽい感じがしなくなった。 
 でも、時によっては「酢そのまんま」のこともあるダークホース。 
 (例:柿酢ドリンク/くろすバーモント/花物語/など) 
・5は、スポーツドリンクや健康飲料の亜種に多い。 
 成分だけを配合したりするダイエット飲料などに多い。 
 もともと、効能が目的なだけに、味は二の次三の次。 
 それでも、他種のゲテ汁よりはかなりマシなほうなのが怖い。 
 (例:ヴァーム/スーパーモデルダイエットコラーゲンドリンク/など) 
・6は、Aの「地場産モノ」と同義で考えてOK。 
 たまに、とんでもないものがジュースになる。 
 「その発想自体が狂っている。」としか思えない商品が出てくるのも、 
 このグループの特徴。 
 チョンボの巣窟だが、馴れている人間にはそれほど感じないらしい。 
 それでも、世間一般では致死レヴェルでマズイ。 
 (例:エノキエキス/シジミエキス21S/タングロン/など) 
・7は、「その他」と言う意味なので、これといった分類がない飲料の 
 巣窟。善し悪しも味も系列化できないので、総評は不可能。 
 (例:森の雫/など)
 
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